■Beijing 2008 Olympic Games
オリンピックは他のスポーツ・イベントとは規模が違う。40億もの人がカメラの向こう側に居る。サッカーのワールドカップが、どんなに盛り上がっても、それは1つの種目であって、膨大な種目数を数日の間に開催し、世界中に放映するという「地球規模」のイベントは他に無い。
参照:http://beijing.yahoo.co.jp/schedule/
「4年に一度」という重み。競技者にとって2004、2008、2012と4年に1度のタイミングで、自己のピークを迎えるということは難しい。極稀に「3連覇」などという驚くべき結果を残す選手もいるが、異例中の異例である。
日本は1億3千万弱の人口しか居ない小さな島国である。それが66億6千万人の頂点を目指す。子供の頃、「クラスで一番足が速い子」が同学年で一番速い子になり、市長村で一番になり、都道府県で1番になり、地方で一番になり、そして「日本で一番速い」になる。日本で一番速い子が、クラスでは2番ということはない。当たり前ですね。こういう積み重ね。「もっと速く」「負けたくない」この繰り返し。
やがてそれが「金メダル」=「人類の頂点」を目標にし、オリンピックという大きな大きな舞台に立つ。66億6千万人の頂点に立つ。甲子園で校歌を歌う高校球児が日本中に「我が校、我がチーム」を誇るように、表彰台の上から「日本国旗」が一番高いところに掲げられるのを見る。最高の眺めでしょうね。
トリノ五輪を見ていて、ある日本人スノーボード選手が「楽しんで来ます」と言っていたのを見て、そのときは「何を言ってるんだ、この子は!?」と思いました。しかし、高校野球を見ていて思いました。負けたら泣き崩れるほどの勝負にかける思い。この「思い」は「自分のため」だけじゃない。共に練習に励んできた仲間、指導してくれた監督、応援してくれた仲間や家族、そういう人たちへの恩返しを「優勝」という最高の形にできなかった悔しさ。グラウンドに立てるのは同じチームの中でも限られた人数でしかない。その選考に漏れた仲間に対して、申し訳ないという思いもあると思う。そういう気持ちをスノーボードの選手すべてが持っているのか?と考えると、難しいのかも知れない。
昨年度から、スノーボードのプロの大会(PSA大会)において「コンストラクターズ・ポイント」という、ボードメーカー別の大会でのポイント制度が始まりました。これは私が以前から希望していたものです。
まだまだスノーボードにおけるコンストラクターズ・ポイントの価値は薄い。しかし重要な価値を秘めています。スノーボードの選手に聞きますが、あなたが大きな大会で優勝したときにメーカーに電話をして、「おめでとう」と言って泣いてくれる人は居ますか?・・・もし、そういう関係になれたら、負けたときには自分が泣くほど悔しいと思えるでしょう。勝つための努力を苦に思わなくなるでしょう。それが家族や仲間、少しずつ大きくなるほどに自分が強くなれる。そのとき、はじめて心からの「感謝」というものを理解できるようになると思う。まだまだそういう強さが足りない。感謝は強さになります。
メダルには魅力がありますが、スポーツには「感動」という大きな魅力もある。すべての選手には、背景があり、未来がある。「負けるのが嫌だから勝負しない」そんな人が増えているように感じる。負けることは恥ずかしいことでしょうか?ときに「負け」は人を大きく成長させる。私は若い頃、数え切れないくらいの「負け」を経験してきました。勝ったことなんて、あったかな?。でもそれは今になってはできない、大切な経験に感じます。
「がんばれニッポン」という声援も良いですが、すべての選手に声援と拍手を送りたい。2008年の夏がオリンピック・アスリートにとって「最高の大会だった」と言われるように、中国の未来のために、地球規模の価値観の共有のために、「北京五輪」の成功を心より願っています。
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